天下のNTT(9432)、まず潰れることは無いと言われていましたが、今もまったくその様子を見せずに好調を維持しています。株価も最近鰻登りですが、今後の10年も大丈夫なのか?

10年後は現在の3倍超、500円超えなるか?

というのを、一つの予想値として出してみました。その根拠は?参考になれば幸いです。

まずは現状把握

こちらはNTTの年足チャート。ローソク足一本が一年で30年分のチャートです。株価がずいぶん安いと思われるかもしれませんが、23年6月に脅威の25分割を行いました。NTTは過去、何度か分割を繰り返しており、2009年は100分割なんてのもしていますが、それらを調整したチャートになっています。

2011年に底値33円を付けてからどんどん上昇し、今は5倍以上の株価になっています。10年ごとの株価を見てみると・・・

  • 93年:73円
  • 03年:52円
  • 13年:57円
  • 23年:174円

となっており、順調に株価が上がっているように見えますが、チャートが示す通り、99年には最高値の194円を付けその後暴落していますので、長期的に見ると上げ下げが激しい銘柄になっています。

基本的には勢いよく上げ、非常に強い状態、これからもどんどん上がることを期待してしまいますが、前の高値、日柄的にも弱ってくる可能性もあります。

まずは上昇の予想、500円超えの根拠は?

図の通り、超楽観的な予想ではこのまま10年後も上昇し続け500円を超えるというものです(①超楽観コース)。株塾を運営する相場師朗氏のテクニックで9,17,23本の法則というのがあります。上げや下げは連続で9本、17本、23本で止まりやすいというものです。現在13本目。順調に上げていけば17本もしくは23本まで上がると予想。10年後はちょうど23本なので、そこまで上げれば500円は越えてくるだろうというのが予想です。ただし株価が伸びるには、しこり①②を越えてくる必要があります。

しこり①②を越えたとしても17本で止まれば、そこから反落し200円ぐらいで落ち着くという予想も出来ます(②17本で止まるコース)。

下げの予想

先程、上げの予想をしましたが、現状では下げる可能性の方が高いと予想しています。

図の通り、しこり②に差し掛かっており、上にはしこり①もある。特にしこり①は前高値で、しかも上場来最高値なので強力なしこりとなり、反落する可能性が出てきます。一旦下がるものの、半値戻しや100円の節目で反発上昇し、やや値を戻すと120円ぐらいに落ち着くか(③しこり負けコース1)。

下げが止まらずそのまま暴落となると、前安値の50円近辺、もしくは50円以下まで下がるというのも考えられます(④しこり負けコース2)。

どのようにトレードしていけばいいのか?

先述の通り、しこり①②を超えるかどうかがとても重要です。

まずはしこり①を超えてきたら、大幅上昇が見込めるので買いを入れたいところですね。そのままどんどん上がるなら、500円を目指して23本上げる可能性があります。17本ぐらいで止まる可能性もあるので、下げそうなら買いを切って空売り。

空売りを出来るようになっておく理由とは?

 

現価格からしこり負けで下げてきたら、空売りをしかけて100円もしくは50円ぐらいまでが狙えます(信用取引は半年で期限切れなので断続的に)。100円の節目あたり、本数にして9本ぐらいで下げが終わる可能性はあります。最も下げる予想としては前安値の50円近辺でしょうか。

 

とまあいろいろと予想してみました。正直、10年後の予想は非常に困難なので、いくつかのストーリーを提示してみました。相場で勝つには「上がる」「下がる」の予想より、ストーリーを立て、株価の動きに柔軟に対応するのが大切です。

株価に対応できるよう、トレードの技術を身につけるようにすれば、株の世界で勝てるのも困難ではありません。

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NTTはどんな会社?

さてここからはNTTという会社について、今後を占う意味でもいろいろと解説したいと思います。NTTだろ?知ってるよ!とおっしゃる方も多いかもしれませんが、意外と知らないことも多いと思うので、ぜひ読んでいただければ新たな発見もあるかも?

NTTの概要

まずはNTTの概要です。

会社名 日本電信電話
設立 1985年4月(電電公社は1952年8月)
主な事業内容 携帯電話、固定電話、システム関係など
従業員数(連結) 約338,000名(2023年3月期)
売上高(連結) 約13兆1,361億円(2023年3月期)
配当利回り 3.03%(2023年3月期)
時価総額 約15.6兆円(2024年1月)

とまあ、日本を代表する会社と言っても過言ではありません。日本国内の企業では、時価総額では3位(トヨタ、ソニーに次ぐ)、売上高は7位(トヨタ、三菱商事、ホンダ、ENEOS、三井物産、伊藤忠に次ぐ)を誇ります。

また世界の固定通信会社の時価総額でも米国のVerizonに次ぐ2位となり、世界でも有数の企業と言えますね。ちなみにKDDI、ソフトバンクはそれぞれ6位、8位。

NTTの業績推移

直近5年間の業績を調べてみました。以下の表になります。

決算期 売上高 営業利益
2019年3月 11兆8,798億円 1兆6,938億円
2020年3月 11兆8,994億円 1兆5,621億円
2021年3月 11兆9,439億円 1兆6,713億円
2022年3月 12兆1,564億円 1兆7,685億円
2023年3月 13兆1,361億円 1兆8,289億円

2019年~2021年は横ばいでしたが、2022年から売上が向上、2023年は13兆超えを記録していますね。そして2023年の営業利益率は約14%ということで、かなりの優良企業っぷりを発揮しています。

NTTの主要株主

次に、NTTの主要株主を見てみましょう。

  • 財務大臣 35.59%
  • 日本マスタートラスト信託銀行 10.04%
  • 日本カストディ銀行 4.50%
  • トヨタ自動車 2.28%
  • モックスレイ・アンド・カンパニー・エルエルシー 1.01%
  • 日本生命保険 0.77%
  • バークレイズ証券 0.73%
  • ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 0.71%
  • ジェーピー モルガン チェース バンク 0.70%
  • NTT社員持株会 0.70%

もっとも注目すべきは財務大臣が36%近い株式を所有していることです。株式会社では1/3の株を保有していると拒否権が発動できるため、NTTは日本政府の意向には逆らえない企業と言えますね。あとトヨタや日本生命が一部所有しています。ちなみに日本マスタートラスト信託銀行は三菱UFJと日本生命など、日本カストディ銀行は三井住友、みずほ、りそな、第一生命などが主要株主の信託銀行です。

NTTの主要子会社

実はNTT、単体での売上高は6500億ほどしかありません。主な事業としては研究開発と経営統括。グループ会社からの配当や経営統括、研究成果をグループ会社に提供することで売上を挙げています。以下はNTTの主な子会社です。

会社名 売上高 NTTの持ち株比率
NTT東日本 約1.6兆円(2020年) 100%
NTT西日本 約1.4兆円(2020年) 100%
NTTドコモ 約6.1兆円(2022年) 100%
NTTデータ 約2.1兆(2023年) 57.7%
NTTコミュニケーションズ 約1.1兆円(2020年) NTTドコモ100%

※売上高はすべて連結です。なのでNTTドコモの売上にはNTTコミュニケーションズの売上を含みます。

子会社の売上高を見てみると、やはりNTTドコモが稼ぎ頭です。NTTドコモは2020年にNTTの完全子会社になっていますので、稼ぎはすべてNTTのもの。まあ盤石ですね。

もし10年前に100万円、NTT株を買っていたら・・・

投資家ならつい夢想してしまうことの一つ

「あの株、〇〇年前に買ってればなぁ・・・」

僕の友人は30年前、20代のころにマイクロソフト株をおよそ100万円分買ったそうです。それで数年後、10倍の1000万円ぐらいで売って大儲けしたそうですが、今はなんと当時の100倍になっています(3ドル → 30ドル → 300ドル)。今も持ってたら1億だったなぁと言ってました。

 

さて話は戻ってNTT株。10年前に買っていたらいくらになっていたんでしょうか?

2013年末の株価:56.6円(分割調整済み)

2023年末の株価:172.3円

ざっくり3倍です。

 

もし10年前、100万円で株を買えば、17600株が996,160円で買えています。その株は10年後、3,032,480円になっています。

つまり

約100万円 → 約300万円

になっていました。利益は200万円!なかなかのもんですね。ちなみに信用取引を使って、レバレッジ3倍でかけていたら、900万円ほどになって、800万円の利益です(限月があるので、半年ごとに買い直し)。

新規事業IOWNでヤバいことに

2019年からNTTが取り組んでいる新規事業がIOWN(アイオン)。IOWNって何かっていうと・・・

IOWN≒5Gの次のやつ

と考えれば分かりやすいかと思います。

 

ざっくりどういう風になるかと言うと・・・

  • 電力消費が100分の1
  • データ伝送容量が125倍
  • 遅延が200分の1

になるようです。

つまり

むちゃくちゃデータ量が多くなり、しかも電力がほぼ減らない

ということになります。

 

それによって

  • スマホの充電がほぼいらなくなる
  • 自動運転の精度が格段に良くなる
  • 海上、宇宙なども通信圏内に

スマホの充電は無線給電とかけ合わせることによって、ほぼ充電が不要になるとのこと。データ容量がでかくなるので、自動運転の精度が格段に良くなり、無人運転も可能に。また宇宙や海上、海中までも電波をカバーできるらしく、今盛り上がってる宇宙開発事業にも活用できるのだとか。

特に自動運転技術はトヨタなど日本の自動車メーカーが共同で研究しているSoCの技術開発も同時に行われており、こちらが上手く行けばIOWN技術と相まって自動運転が加速します。

この技術を2030年ごろには広く普及させるとしており、これが実現するとNTTが世界の通信事業の覇権を握るのでは?と言われています。今のうち株買っとけー(責任は持ちません)。

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