楽天市場、楽天トラベル、楽天証券、楽天銀行など、多種多様なサービスを展開している楽天グループですが、最近はモバイルの失敗(?)であまりいい話を聞かないです。残念ながら株価も下がり気味。ってことで、10年後の楽天の株価はどうなってるのか?予想してみました。

まずは過去の株価から

こちらは過去10年分の楽天グループの月足チャート。楽天グループは、上場自体は2000年4月ですが、東証1部に上場したのが13年12月なのでそこからのチャートです。株式分割は調整した価格です。

5年毎の過去の株価を見てみると

  • 13年:1564円
  • 18年:736円
  • 23年:540円

と、順調に下げてる感じ。14年には最高値の2395円を付けており、そこで買った人はちょっとかわいそうなことに・・・

株塾式で10年後の株価をテクニカル考察

生徒数3,000人を超える株塾の相場師朗先生の教えから、これからの株価の予想を考察してみましょう。

チャート上はやはり下げる要因が大きい気がしますね。

下げを予想する考え方

逆PPPである
株塾式で重要な指標のひとつ、逆PPP(パンパカパン)。現在、MA100、50、30、20、10、5が下向きで順番通りに並んでいます。この状態を逆PPPと言いますが、これは強い下げのサインですので、これからも下落が続くと予想されます。

しこりを割っている
600円あたりに株価が停滞している「しこり」があります。ここを割って、抜けずにまた500円まで下げてきたことで、やはり下げのサイン。

高値が切り下げ
15年に最高値を付け、大きく下落してきました。その後、600円で反発し21年には1500円まで回復しましたが、また下げてきた。高値が切り下がっている。ということで、やはりここからも下げになるのでは?

反転上昇を予想する考え方

500円の節目
直近の23年6月、最安値の466円を付けましたが、最終的には500円で止まりました。その後、一旦反発して現在はまた下げていますが、この株価が500円を割らずに反発したら上げに転じるかもしれません。

下げの期間が長い
21年6月に直近の高値を付けてから、32ヶ月経っています。そろそろ上げてもいい感じ。さすがに倒産はしなさそうなので、ファンダメンタル的な材料が出てきたら上げるかも。

目標株価は?今後の展開を図で

やはり500円が大きなポイントとなると思います。再び500円を付けて反発すると株塾式で言うところの「W底」になるので、そこそこ上げる形になる。

逆に500円を割り込むと、逆PPP継続で大きく下げるということです。正直、短期的にしか予想は難しい・・・楽天グループの10年後の予想は無理!

 

ただひとつ言えることは・・・

現状、楽天グループは長期投資に向いてない

はっきり言ってよくわかりません。三木谷会長が株を売却したり、何かのサービスが飛躍的に伸びたりしたら、一発逆転あるんでしょうけどね。

※投資は自己判断でお願いします。またこの見解は株塾並びに相場先生の見解ではありません。あくまで一塾生の管理人の見解です。

今回の予想は株塾生なら誰でも出来る

ここで書いた株価の予想ですが、株塾生にとっては初歩的なことなので、ある程度学んだ人なら、誰でも同じようなことは言えると思います。気になる方は株塾の公式サイトをチェックしてみてください。

参考:株塾ってどんなところ?

 

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楽天Gってどんな会社?

ここからはファンダメンタルズ的なことも知っておいて損は無いので、楽天Gについての概要について解説していきたいと思います。

楽天Gの概要

まずは楽天グループの概要です。

会社名 楽天グループ株式会社
設立 1997年2月
主な事業内容 インターネット小売、金融、モバイル事業など
従業員数(連結) 32,079名(2022年12月31日現在)
売上高(連結) 約1兆9279億円(2022年12月期)
営業利益(連結) △約3639億円(2022年12月期)
配当利回り 0.71%(2023年2月)
時価総額 約1.3兆円(2024年1月)

とまあ、なかなかの大企業。特に設立30年以内の会社としては日本有数の企業です。三木谷社長が一代で成しのはかなりすごいことですね。

事業内容

楽天Gの主な事業内容は以下の図のようになります。


※資料は楽天グループHPより

売上の半分以上はインターネットサービスセグメント、つまり楽天市場と楽天トラベルなどの事業です。やはり楽天起業時の事業が最も堅調。次に伸ばしてきているのがフィンテックセグメント、つまり金融系ですね。楽天銀行、楽天証券はもとより、Edyを扱う楽天ペイメントも徐々に業績を伸ばしてきています。モバイルセグメントは15%とまだまだこれからの感じ。

楽天Gの主な株主

次に楽天Gの主な株主です。比率順に以下の通りになります。

  • クリムゾングループ 14.24%
  • 三木谷浩史 11.09%
  • 日本マスタートラスト信託銀行 9.02%
  • 三木谷晴子 8.34%
  • 日本郵政株式会社 8.24%
  • モルガン・スタンレーMUFG 3.68%
  • 日本カストディ銀行 2.57%
  • その他、複数の外資系投資企業が出資

筆頭株主のクリムゾングループは、三木谷家の資産運営会社、三木谷晴子氏は三木谷さんの奥さんなので、三木谷家の支配は33.67%。1/3以上所有しているので、三木谷さんは拒否権が発動できます。つまりある程度は三木谷さんの思うがままの会社。しかし事あるごとに株式を売却しているので、今後どうなるか。三木谷さん浮気とかしたら奥さんが反旗翻すかもだしね。

日本マスタートラスト信託銀行とモルガン・スタンレーMUFGは三菱UFJの系統なので結構、三菱の影響が強いかも。

楽天Gの主な子会社

下は楽天Gの主な子会社です。

会社名 売上高 楽天Gの持ち株比率
楽天モバイル 約2,002億円(2022年) 100%
楽天カード 約5257億円(2022年) 100%
楽天証券HD 約895億円(2022年) 100%
楽天銀行 純利益 約193億(2022年) 63.33%
楽天ペイメント 約131億円(2022年) 100%

※売上高はすべて連結です。

楽天Gの子会社の特徴は、ほとんどが100%子会社であること。そしてカード、証券、銀行、ペイメント(Edy)と、ほぼ全ての子会社を、自社で一から立ち上げたのではなく、すでにある会社を買い取ったところです。楽天モバイルが初めて自前で立ち上げた事業と言ってよく、だからこそご執心なのかも。これ以外にも楽天ゴールデンイーグルス、ビッセル神戸とスポーツ事業にも積極的。

ちなみに楽天モバイルは2022年は4,615億円の赤字。ヤバい・・・

楽天Gの株価急落の理由は?

2021年3月には1500円ぐらいを推移していた楽天Gの株価ですが、2023年6月には最安値の466円を付け、2023年末も500円付近をうろうろしています。なぜこんなに下がってしまったのか?

楽天モバイル大失敗!5000億円の赤字

もちろん先述の通り、楽天モバイルが上手く行ってないことが最大の原因です。

楽天モバイルの営業損失
  • 2021年12月末:約2000億円
  • 2020年12月末:約4163億円
  • 2022年12月末:約4615億円

ということで、3年で約1兆円の損失を出しています。これはさすがにヤバい。

また不祥事も多いです。総務省に届出を行わずに一部周波数を削除して行政指導を受けたり、分割払いを選択した一部ユーザーに対して誤って一括払いの処理を行ったり、楽天モバイルに転職した元ソフトバンクの社員が情報を楽天モバイルに持ち出したとして逮捕されたり、iPhoneが着信不可になったり、某有名女優出演のCMがうざいと言われたり・・・まあいろいろあります。ただし、2023年末には携帯キャリアサービスの契約数が600万回線を突破したと明るいニュースもあります。

8,000億円の社債償還

さらに間の悪いことに、楽天Gは24年からの2年間で8000億円もの社債償還をしなくてはなりません。一応、銀行にお墨付きをもらってるので大丈夫だ!と三木谷会長はおっしゃっていますが、巷では倒産の可能性や、三木谷家の持ち株売却が噂されています。

海外事業の失敗

2014年に6%程度だった売上高の海外比率を「2020年には50%を目指す」と宣言されております。今は・・・・・・・・・ほぼ撤退。海外進出のため巨額の投資を行い、社内の公用語を英語に変え、複数の外国人取締役を採用しましたが、結果はあまり伴わずです。

モバイル以外は好調、特に金融系

何と言ってもモバイルにやられた感がある楽天Gですが、他の事業は堅調です。

インターネットセグメントは、楽天市場や楽天トラベルの事業。こちらは堅調で年間1兆円ほどの売上があります。ただし利益率は5%程度。

儲かってるのはフィンテックセグメント。つまり楽天銀行、楽天証券など金融系ですね。売上高は1年で5000億円ほどですが、利益率が15%あり、インターネットセグメントの2倍弱の利益を叩き出しています。

まあモバイルは・・・ただし赤字幅は徐々減少しています。(資料は楽天グループHPより)

 

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楽天Gの将来性

さて、とにかくモバイルで散々な楽天G。そんな楽天Gに未来はあるのか?調べてみましたのでご紹介します。

楽天市場、金融系は盤石

先程もお伝えした通り、楽天市場や楽天トラベルのインターネットセグメント、銀行や証券の金融系は結構盤石。特に金融系は高い利益率を叩き出しています。これだけやっときゃよかったのに・・・

海外事業の今後には期待

楽天市場など主要なビジネスは海外進出に失敗しているけど、小さなビジネスがちょこちょことある。これが伸びれば楽天にも未来が?

楽天Kobo
日本では終了と思われた楽天Kobo。なんと世界では3,800万人以上が利用しています。最初つまづいちゃったけど、将来性はあるか?

楽天Viber
言ってみればLINEの楽天版。キプロスの会社で楽天が買収。インド、アメリカ、ロシアでは各3000万人ほどのユーザーがいるらしい。世界では11億ダウンロードされているが、利用率が低くて月間利用ユーザー数は2.6億人程度。イマイチかも・・・

イーベイツ
2000以上のオンライン小売業者のクーポン及びキャッシュバックを提供するショッピングポータルらしい。アメリカ合衆国、カナダ、中国、韓国、シンガポールで展開。

Rakuten VIKI
早い話がNetflixみたいなので、テレビ番組や映画などを視聴者が翻訳するシステム。翻訳者にはキャッシュバックあり。200以上の言語で翻訳されているんだって。基本的には無料だけど、全話見るには優良になります。シンガポールの会社で楽天が買収。北アメリカ (40%)、東南アジア (30%)、ヨーロッパ(15%)にユーザー多数。ヨーロッパではフランスで流行ってるみたい。

楽天シンフォニー
社運をかける!楽天シンフォニー。後述します。

楽天シンフォニーに社運をかける?

モバイルで赤字を垂れ流している楽天Gですが、実はすべてはこの布石だった!それが楽天シンフォニー。

楽天シンフォニーとは何かというと
「世界の通信事業者や企業、政府機関向けに、未来を見据えた、コスト効率の高い、通信用のクラウドプラットフォームを提供していきます。」

ということで、さっぱりわかりません。詳しい記事を見てもRCPだのOpen RANだのvRANだのOSS/BSSだの完全仮想化ネットワークだのさっぱりわからない。そこで誤解もあるかもだけど分かりやすくバシッと言っちゃうと・・・

基地局が安く作れるよー

ってことらしい。なんか新しい技術で携帯電話の電波の基地局を従来の3~4割安で作れるんだって。


楽天モバイルより

んで、その基地局を安く作れる技術を主に海外の携帯会社に販売することで、利益を得ようってのが楽天の思惑らしい。三木谷会長曰く

「楽天モバイルは楽天シンフォニーのショールームだ」

とのことで、楽天モバイルの失敗は楽天シンフォニーの布石だそうです。まあ現状、いろいろと問題はあるみたいですが、これが思惑通りにすすめば、楽天の一発大逆転はあり得るかもしれません。今のうちに株は買い?

楽天Gの株主優待と配当利回り

長期投資を考えているなら、気になるのは株主優待と配当利回り。これから紹介していきます。

株主優待

2024年1月現在の楽天Gの株主優待は・・・

楽天モバイルのデータ通信用eSIM(30GB)/月を無料にてご提供

うーーん・・・・・・・ お得感が無い・・・ 株主は楽天モバイルにしろってことか?

保有株数あたりの優待期間
保有株式数 保有期間 利用期間
100株 5年未満 3ヶ月
5年以上 4ヶ月
1,000株 5年未満 4ヶ月
5年以上 5ヶ月
5,000株 5年未満 5ヶ月
5年以上 6ヶ月
10,000株 5年未満 6ヶ月
5年以上 6ヶ月

内容もなんかしょぼいと思うのは僕だけでしょうか?10,000株持ってても半年です。まあソフトバンクやトヨタのように株主優待やってない企業もあるので、まあこんなもんでしょう。

配当利回り

2024年1月現在

楽天Gの配当利回りは0.71%

まあ、あまり良くないですね。トヨタ自動車が2.51%、NTTが2.84%、ソフトバンクグループが0.70%。まあそんなもんでしょう。

もし10年前に100万円、楽天G株を買っていたら・・・

最後に10年前、楽天G株を100万円分買っていたら、今はいくら儲かってるのでしょうか?調べてみました。

10年前、2013年12月末の終値が1564円。100万円分となると、600株で938,400円となりますので、600株買ったとしましょう。2023年12月末の終値は628円。なので・・・

株価:1564円 → 628円

100万円分:約94万円→約38万円

なんと約56万円のマイナス!買わなくてよかったー。ただし2015年に最高値2096円を付けてますので、そのときに売ってれば32万円ほど儲かってます。まあ最高値では売れないですけどね・・・

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このチャート・・・

 

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