トヨタと言えば世界一の自動車メーカーで、日本一の企業として有名なはず。それなのに株価は2000円台と、決して高い金額ではないわけです。それはなぜ?ってことで詳しく解説していきたいと思います。
2021年に株式分割した
トヨタ自動車(7203)の株価は2023年11月14日現在、2800円台を推移しています。この株価、他のと比べて決して高いわけではありません。例えばキーエンス(6861)は60,000円近くを推移。ユニクロのファーストリテイリング(9983)は36,000円ほど。両社も優良企業ではありますが、規模や売上ではトヨタには遠く及びません。
実はトヨタは2021年9月に1:5の株式分割を行いました
それまでの最高値は分割直前の10,460円。その株が5分割して2,000円程度になりました。
過去7度の株式分割
トヨタ自動車は過去に7度株式分割を行っています。
- 1984年6月:1:1.05
- 1985年6月:1:1.05
- 1988年12月:1:1.05
- 1989年6月:1:1.05
- 1990年6月:1:1.1
- 2021年9月:1:5
2021年の株式分割は1:5ですが、それ以前のは10%、5%などの小さな株式分割でした。これは株主への還元の意味合いが強かったのですが、今回のような5分割は株価が上がりすぎたから流動性が失われたので、幅広い層に買ってもらうため株価を一気に下げる意味合いがあったと考えられます。
時価総額はトップ
トヨタの株価が2000円台だからといって、会社が評価されていないわけではありません。時価総額はダントツの一位。
国内企業 時価総額ランキング
名称 | 株価 | 発行株数 | 時価総額 | |
1位 | トヨタ自動車 7203 |
2,844円 | 163億株 | 46.4兆円 |
2位 | 三菱UFJ FG 8306 |
1,284円 | 127億株 | 16.3兆円 |
3位 | ソニーグループ 6758 |
12,590円 | 14億株 | 15.9兆円 |
4位 | 日本電信電話 9432 |
175円 | 906億株 | 15.8兆円 |
5位 | キーエンス 6861 |
59,770円 | 2.4億株 | 14.5兆円 |
6位 | ファーストリテイリング 9983 |
35,630円 | 3.2億株 | 11.3兆円 |
7位 | 東京エレクトロン 8035 |
23,230円 | 4.7億株 | 11.0兆円 |
8位 | KDDI 9433 |
4,662円 | 23億株 | 10.7兆円 |
9位 | 三菱商事 8058 |
7,122円 | 14億株 | 10.2兆円 |
10位 | 信越化学工業 4063 |
4,826円 | 20億株 | 9.6兆円 |
※株価などは2023年11月14日現在。数字は四捨五入。
トヨタ自動車は2800円台の株価ながら時価総額はダントツで一位。株価自体は安いものの、発行部数も多いので時価総額が高い。キーエンスは60,000円近い株価だけど、発行株数が少ないため、時価総額はそこまで伸びず。発行株数が一番多いのは日本電信電話(NTT)で900億株以上発行しているが、株価が低位なので時価総額は16兆円止まり。
というわけで、トヨタの株価が2,000円台なのは株式分割をしたからで、株価が安いからと言って市場から低く見積もられているわけではないというお話でした。